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【解説】デザインプロセスの欠点と、それを補うデザインエンジニアリングとは
2024年1月12日
発想を実現し確からしさを高める「デザインエンジニアリング」

【目次】
デザインプロセスの欠点と、それを補うデザインエンジニアリング
中流工程があることを認識し、開発に必要なアイテムを作り試し組み立てる
デザイナー・エンジニア双方で要件/ 目的をしっかりと捉える為に
企業が抱える課題解決のためのプロセスとして有効な「デザインエンジニアリング」。 第3回では発想を実現し確からしさを高める「デザインエンジニアリング」と題して、デザイナーとエンジニアの役割や共創により発揮される効果などを解説します。
デザインプロセスの欠点と、それを補うデザインエンジニアリング
デザインエンジニアリングの中でも重要な工程の1つとして、定めた要件や要求の中でも、実現可能性や課題に対して技術検証が必要な要件や描いたユーザー体験が狙い通りに体験できるか、これらを考察し、その効果が発揮できる工程があります。 ユーザーとシステムのインタラクションを実際の運用環境を想定して試すことが大切です。プロトタイプや実利用が想定される環境の上で、早期に試せることは試し、疑似的にでも相互のインタラクションを評価することで、要件や課題の抜け漏れを発見することが多々あります。
デザインプロセスの中でも、「ラピッドプロトタイプ」「紙芝居的モックアップでの基本的、正常系のフローの確認」「OZ 法によるフィードバックの再現、課題発見」「デザインツールやそこから出力されたプロトタイプによるユーザーインターフェースの評価」等の評価ツールを構築し、試すことで、確からしいシナリオの流れを把握し、ユーザ体験を評価 することは可能です。 しかし、システムや運用環境、そのシステムを取り巻く実際の運用状況を考えると、限られたテスト環境の中では発見できないシステムの課題が残されてしまう、というのがデザイナー主体で進むデザインプロセスの欠点です。
具体的には、「インストラクションメッセージの必要度合」「通信から取得する情報の表示までのタイムラグ」「操作の流れを考慮した上での適切な情報量」「実際の運用環境を想定した場合の課題」(例えば、会員登録やログイン周り、セットアップ手順など、ここは既に用意されたフローがあるので試す必要が無いとされて、ユーザーテスト段階ではスキップや省略されてしまうことがある。)など、それらを表層的なプロトタイプによる評価や観察だけではシステムも含めた想定するユーザー体験の確からしさは高められないという欠点です。
このあたりのシステム開発時や運用環境上の蓋然性は、想定し ていたことよりもギャップがを多いことが後工程で明らかになるケースは多く、実際に使う環境に近いシステム上で試作し評価を行うには、デザイナーだけでは準備、実施することができませんが、エンジニアが関わることで、近い環境を想定した作りの上で試すことができ、抜け漏れ、考慮漏れに気付かされることが多いことが実態です。
製品やサービスの本質的な要件 / 目的を捉えて具象化する
限られた時間やコストの中で用意できる「試してみる」環境を用意することは難しいのですが、少なくとも、本質的な要件や目的を捉えて具象化することにフォーカスし、要件の中でもっとも重要かつ、製品の本質的な特徴や機能だけでも、抜け漏れ無いように潰しておきたいものです。「試してみる」部分を精査してみると大掛かりなモックアップを仕立てるまでもない場合もあると思います。
例えば、対象となる製品やサービスの新たな「体験価値」が検討する重み付けが強いのであれば、
・その製品やサービスを知る機会は何か
・その製品やサービスを入手する方法は適切か
・その製品やサービスの「価値」を試すまでのステップは複雑ではないか
・その製品やサービスの「価値」を体験した上でユーザーは何を求めるか
このあたりの一連のフローを具現化し、評価する必要があります。
また、既にある製品やサービスの特徴的かつ新たな機能や性能を検討する必要があれば、
・その機能や性能を試すまでのステップは複雑ではないか
・その機能や性能が期待値まで達するか
・その機能や性能を感じたユーザーが次に期待するものは何か
など、本質的な部分にフォーカスして「確からしさ」を高めることに注力できることもあります。 製品やサービスの「戦略・要件」を開発者であるデザイナー・エンジニアとも共有し、「何を試すべきか」協議できることで、優先度や重み付けを考慮したモックアップが実現できると考えています。
上流工程の成果を「開発で使える」ものとするには
上流工程の中で定めた成果だけでは、開発工程では「作る上での情報」として足りない成果が多いことが現状で、その為の手戻り対策や想定外のドキュメントを新たに用意する必要が出てしまうケースがあります。
よくある上流プロセスの成果としては、デザインプロセスを経た上での「画面設計」「画面遷移仕様」「意匠仕様」等がありますが、画面の中にUI部品が実際にどのように動いてほしいのかによっても実装難易度や方法も変わってしまいます。UI部品が押下されたタイミングで、コンマ 0.3msec 以内に画面遷移しトランジション演出がどのくらいの尺で再生され、次に登場する画面の中でどのような順番で、その画面を構成するUI部品たちが出現するのかが分かりにくく、開発チーム自体で定義し実装することで、デザインチームの意図とは乖離することもあります。 エンジニアが実装設計に入る前に、要件に基づきどのような成果が情報として必要か認識を合わせておくことが必要です。
