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OUTLINE
エスディーテックは、京セラ株式会社(以下「京セラ」)の「高精細 空中ディスプレイ」に表示されるデモコンテンツ開発に協力し、映像デザイン及びソフトウェア実装を担当しました。
「高精細 空中ディスプレイ」は京セラの製品で、映像を光学的に空中結像する次世代の表示装置です。
CONCEPT
この製品には非接触で衛生的な UI を提供するという社会的な使命があります。
具体的な利用シーンを想定したデモとしては公共施設の案内板や玄関受付などが想像しやすいでしょう。
しかし、今回一連の取り組みでは 3Dで描画された生き物や炎に触れながら鑑賞するという少し尖ったシナリオに仕立てました。
非接触はこの製品の一側面に過ぎません。
映像が空中にあることの根源的な意味とは何か。
情報側がユーザーに優しく歩み寄るようなたたずまい。
高精細さがもたらす実在の濃さ、生命感。
そうした新しい情報提示の可能性を想起させるデモンストレーションを目指しています。
映像の表現力を高めるために、3Dはリアルタイム描画で物理ベースの光学シミュレーションを採用しました。
2022年版の「金魚」は見る角度によって鱗のきらめきが変化し、指で触れる度にAI制御された繊細な動きで答えます。
2023年版の「焚き火」は幾多の粒子を重ねることで即応性を高めたものです。
そこにあるだけで美しく、手で直接触れると多彩に反応するインタラクティブアート的な作品です。
ジェスチャー実装
このプロジェクトでは「空中に浮かぶ映像を触れるようにしたい」というアイデアを起点に、アジャイル的な手法で開発を進めました。
京セラのハードウェア試作と並行してエスディーテックはソフトウェアのデザイン企画・構成検討・実現可能性評価を開始。
デモの解像度や操作仕様も柔軟に試行錯誤を繰り返しながら、アイデアを具現化しました。
空中でのジェスチャー操作は、今回最も試行錯誤を重ねた点のひとつです。
空中像には液晶境界面が無く、指で触る・指を離すという触覚フィードバックもありません。
デモを操作する人の理解度を考慮して、最も直感的であろう操作を模索しました。
Developer's Note
先進的なハードウェアの良さを引き出すデモのアイデアは、ハードウェアとソフトウェア、エンジニアとデザイナの気さくな対話から生まれます。
京セラさんから無限に湧き出るアイデア、それをノリノリで組み込むエンジニア、ずっと粒子で遊んでいるデザイナ。
焚き火を囲むように明るく笑いの絶えない現場でした。
デモをご覧になる機会があれば、ぜひ自由に触って楽しんでください。
「高精細 空中ディスプレイ」が「CEATEC AWARD 2022」のトータルソリューション部門にて準グランプリを受賞
エスディーテックは、ソフトウェア・デザインエンジニアリングの知見を元に、ものづくりの現場で要素技術を共に育み、未来のアイデアを実現するサポートをします。