Works
デジタルインク × AI が拓く教育革新 ‐ sdtech × Wacom が実現した新たな学習環境
Client
:
株式会社ワコム
Annual
:
2024年
Services
:
デザインコンサル, UX・UIデザイン, グラフィックス制作, ソフトウェア設計コンサル, ソフトウェア開発, 機械学習モデル開発
OUTLINE
エスディーテックは、Wacomとの長年にわたる協業を活かし、教育現場のDXを推進するため、株式会社Z会向けの新しい学習支援サービスとして以下の機能を共同開発しました。
1. 学び検索チエノワ
2. インクジャーニー
3. リプレイ・ヒートマップ
本プロジェクトでは、Wacomのデジタルインク技術とエスディーテックのデザインエンジニアリングの融合により、Z会のデジタル学習をさらに楽しく・より理解を深められる環境に進化させました。
学び検索チエノワ、インクジャーニー、そしてリプレイ・ヒートマップの三つのサービスによって、学習プロセスの見える化、生徒のエンゲージメント向上、そして必要な情報への瞬時アクセスを実現し、ストレスフリーで楽しい学習体験を実現しました。
知識がつながる -【学び検索チエノワ】
クライアントの課題
スムーズな学習と広がる学びの実現: 学習中に気になる用語やわからない用語が出てきたときに、学習が妨げられないように、その場で検索できる機能が求められていました。
達成手法/対応内容
学習中に、気になる用語・分からない用語の関連教材を手書きで検索できるツールを実装しました。
単なる検索ツールにとどまらず、知識のつながりと広がりをナレッ ジグラフとして表現することで、生徒が知識どうしの関係をチエノワを解くように楽しみながら探検できる仕組みを実現しました。



手書き検索機能は、Wacomが特許を取得したデジタルインク処理技術と、エスディーテックの自然言語処理およびAI技術を融合して実現されました。
この技術融合により、手書き文字の高度な意味解釈を達成し、高精度な意味検索が可能になりました。
さらに、インフラ設計・API設計からバックエンド実装、フロントエンドのUI/UX設計・実装までを一気通貫で行うことで、高速で直感的な表示と快適な検索体験を達成してい ます。
デザイン面では、Z会の利用者である中学生の視点に立ったUI/UXを検討し、ナレッジグラフを通じて知識のつながりや広がりを直感的に理解しつつ、関連教材を素早く確認できるよう設計しました。
一方、ナレッジグラフの設計においては、Z会が一つひとつの用語の重要性を精査し、「確実に押さえておきたい用語への集中」と「関連する知識への広がり」が最適なバランスで両立する形で作り上げました。
Wacomのデジタルインク処理技術 × エスディーテックのデザインエンジニアリングとAI開発力 × Z会の教育知見──三社が持ち寄った強みを融合した共同研究開発により、「直感的で高速な手書き検索」と「中学生に最適化された知識の広がりの可視化」という二つの価値を同時に提供する新しい学習サービスが誕生しました。
得られた成果
知識の体系的な理解と記憶の定着促進: 「学び検索チエノワ」の導入により、生徒は学習中に調べたい用語や参照したい教材に瞬時にアクセスできるようになりました。
さらに、関連用語を教科横断的につなげてナレッジグラフとして可視化したことで、学習した知識を断片的な情報としてではなく、背景情報との結びつきを含めた体系的な理解へと導くことが可能になりました。
頑張りを可視化する - 【インクジャーニー】
クライアントの課題
学習の成果の可視化: 継続して学習する意欲を高められるよう、生徒が自らの努力や進捗を楽しんで実感できる仕組みが求められていました。
達成手法/対応内容
学習活動をより楽しくするために、生徒が書き込んだデジタルインクの量を「旅の距離」に換算し、日本全国を巡る冒険として可視化しました。
これまでの努力が、東京タワーや富士山、白川郷などの、各名所を巡る旅として楽しく表現されることで、達成感とともに次の目的地に向けて自然とチャレンジ精神が湧いてくる仕組みを実現しました。


得られた成果
エンゲージメントの向上と学習意欲の持続: 「インクジャーニー」で自分の努力が旅の進捗として視覚化されることで、達成感と次のチャレンジへのワクワクを感じながら学習を続けることができるようになりました。
更に、途中式を書くことの習慣化や、より丁寧に書き込む等、書いて学ぶことの自然 な習得を促すきっかけとしても歓迎されています。
復習で新しい発見をする - 【リプレイ・ヒートマップ】
クライアントの課題
手書き答案作成プロセスの可視化: 添削された答案を見返す際に、自分がどこでつまずき、どの部分に時間をかけていたのかを直観的に把握し、復習すべきポイントが理解しやすくなる仕組みが求められていました。
達成手法/対応内容
タブレットで答案作成に取り組む過程を動画として記録して30秒程に圧縮してリプレイし、答案作成に時間がかかった箇所をハイライトしました。
この仕組みは、答案作成時に時間が掛かってつまずいてしまった箇所を検知するアルゴリズムの開発により、実現されました。
これにより、生徒自身がどの部分でつまずいているのかを短時間で視覚的に記憶を想起しながら確認でき、どこを重点的に復習すれば良いかが一目で分かる仕組みを実現しました。

得られた成果
答案作成プロセスの透明化と復習の効率化: 「リプレイ・ヒートマップ」により、生徒自身が答案作成中にどの部分で時間をかけたかを正確に把握でき、重点的な復習がしやすくなりました。
エスディーテックは、これからも、先進的な技術と遊び心あふれるデザインで、学ぶということをより楽しく、魅力的なものに進化させていきます。
今後の展開にもご期待ください。
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